海ガモとハクビシンを食べてみた|狩猟おじさんのおじラジ!#32

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福島の狩猟シーズンも残り1週間。最後の猟で狙いと違う海ガモを獲ってしまった狩猟おじさんは、燻製にして食べられるか挑戦します。同じ日、罠にかかったのはハクビシン。こちらもさばいて食べてみると、結果は予想と正反対でした。

この回では、野生の肉の味が「何を食べて育ったか」でどれほど変わるのか、臭い肉や硬い肉に当たったとき猟師がどう工夫するのかを、実体験から語っています。ジビエに興味がある方、狩猟の現場を知りたい方におすすめの回です。

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この回の話題

時間話題
00:35福島の狩猟期間はあと1週間。今シーズンを振り返る
02:11鳥猟の最終日、狙っていない海ガモを獲ってしまう
03:48マガモ・カルガモ・海ガモ。食べている物で味が変わる
05:14海ガモを燻製に挑戦。その結末は
08:16同じ日、罠にかかったハクビシン
09:00タヌキ汁の正体? タヌキとアナグマの話
12:42ハクビシンを焼いて食べた結果
13:07ジビエの個体差。オスとメス、季節、住む場所
14:38臭い肉・硬い肉をどう活かすか

狩猟シーズン終盤、最後の鳥猟で獲れたのは「海ガモ」

収録は3月7日。福島県の狩猟期間は3月15日までで、残り1週間というタイミングです。今シーズンは講演や執筆などの活動が忙しく、山に入る回数は例年より少なめでした。それでも、カモやキジ、ヤマドリを撃つ鳥猟の期間(2月15日まで)を終えてみると、カモは10羽ほど獲れていて、食肉はしっかり確保できたそうです。

鳥猟の最終日、群れを狙って撃ったところ、当たったのは狙いとは違う海ガモでした。海ガモは普段は海に潜って魚を食べるカモで、たまたま淡水の湖に普通のカモと一緒にいたのです。

食べている物で、カモの味はこんなに違う

野生の肉は「何を食べて育ったか」で味が大きく変わります。

  • マガモ:土の中の虫や水草などを食べる。味はレバーにたとえられることが多く、スーパーで買える合鴨とはまったく別物。イタリアンやフレンチで重宝される
  • カルガモ:道端で見かけるので抵抗を感じる人もいるが、田んぼの稲を食べる害鳥でもあり、味は悪くない
  • 海ガモ:魚を食べるため身が生臭く、昔から「おいしくない」と言われてきた

燻製にしても、食べられなかった

さばいた瞬間から、魚が傷んだような匂いがしたそうです。「燻製にすれば匂いが取れるのでは」と考え、丸1日の塩漬け、塩抜き、天日干しと2日半かけて下ごしらえ。大型のスモーカーでクルミや桜のチップを使って燻しました。

匂いはだいぶ和らいだものの、口に入れると「食べられない」レベル。それでも捨てるのはしのびなく、もう一度2日かけて塩を抜き、薄切りにしてフードドライヤーでカチカチに乾燥。最後は犬用のおやつになりました。犬は喜んで食べたそうです。

ハクビシンは食べられる? 実際にさばいて食べてみた

海ガモを獲った日、家に帰ると罠にハクビシンがかかっていました。いわば「招かれざる獲物」が重なった日です。

狩猟おじさんはこれまで、アライグマは食べたことがあるものの、キツネは食べる気になれず、タヌキは硬くて言われるほどおいしくなかったそうです。ちなみに昔から言う「タヌキ汁」は、実はアナグマのことだったという説があり、アナグマはとてもおいしい肉なのだとか。ただ、福島では数が少なく、ほとんど獲れないそうです。

雑食の獣は臭い、というイメージ

ハクビシンは家に住みついたりゴミをあさったりする害獣で、雑食の動物は匂いがきついだろうというイメージがありました。これまでは皮と頭を扱うだけで、食肉としてはきちんと試したことがなかったそうです。

ただ、狩猟おじさんが罠をかけているのは、自宅の近くや、仲間の農家から頼まれた畑のまわり。そこで獲れるハクビシンは山の木の実などを食べているはず。「もしかしたら」と、初めて食肉としてさばいてみることにしました。

匂いは強烈、でも焼いたら「割とおいしい」

さばいた瞬間の匂いは、果物が傷んで発酵したような独特のもの。一人で食べる勇気が出ず、仲間を誘って「ハクビシンパーティー」を開きます。

ところが焼いて食べてみると、これがおいしい。脂にフルーティーな甘みがあり、肉もそれほど硬くならない。「悪くない」どころか「割とおいしい」と思うほどで、思っていたよりたくさん食べてしまったそうです。

ジビエは一頭ごとに味が違う

イノシシでもシカでも、さばいた瞬間から匂いがする個体もあれば、そうでない個体もあります。違いを生むのは次のような要素です。

  • その個体の食べ物の好みと、住んでいるエリア
  • オスかメスか(脂ののり方はメスの方が良いことが多い)
  • 季節。3月の終わりごろからは繁殖の時期に入り、体が痩せ、特にオスは肉に匂いが出やすくなる

臭い肉、硬い肉に当たったら

思うような肉が獲れなかったときに捨てるのではなく、どう食べるかを考えるのも猟師の仕事であり、楽しみだと狩猟おじさんは言います。

  • 匂いが強い → 燻製にする、カレーなど香りの強い料理にする、香りの強い食材と合わせる
  • 硬い → 圧力鍋を使う、じっくり煮込む
  • それでも人が食べられない → ペットフードにする

「こういう肉しか獲れなかった、ではどう食べようか」と考え続けること自体が、ジビエの魅力の一つなのかもしれません。

※ジビエは中心部までしっかり加熱して食べましょう。

印象に残った一言

「こういう肉しか獲れなかった、じゃあどう食べようか」と考えるのも、一つの楽しみ。

出演者

  • 狩猟おじさん:狩猟・作家・話師。福島で半自給自足の暮らしを送る
  • 沢田隆志:GALATA COFFEE。生まれてからずっと食料はお店で買ってきた都市育ち