猟期が始まったのに、クマに会わない。暖冬と獲物の少ない解禁|狩猟おじさんのおじラジ #21

狩猟おじさんのおじラジ #21 猟期が始まったのに、クマに会わない。 ポッドキャスト

第21回の収録は12月7日。福島県では11月15日に狩猟が解禁され、ハンターにとって本番のシーズンが始まりました。今回は、解禁からおよそ3週間の狩猟おじさんの近況です。

本業が忙しく、出猟はまだ5回ほど。暖かい日が続いたせいか獲物も少なめで、ニュースではあれほどクマの目撃が報じられているのに、山を回るハンターはクマの姿を見ていない。そんな不思議な今シーズンの話になりました。

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この回の話題

時間話題
00:1112月7日収録、福島は11月15日に解禁
01:15解禁日に限って本業の仕事
02:20家の近くでイノシシがかかり始めた
03:22イノシシ用のくくりわなにタヌキ
04:22出猟はまだ5回、例年の半分
05:23獲物が少ない、暖かさのせい?
06:42クマよけの鈴は鳴らせない
07:45山を回っても、クマを見ていない
08:47北海道でハンター登録、下見へ
09:553日間、ヒグマには一度も会わず
10:55街なかには出てくるのに
12:00猟ができるのは日の出から日の入りまで
13:03鳥は2月15日、四つ足は3月15日まで
14:09鳥も「スレて」敏感になる
15:11次回は北海道の話

解禁日に限って、本業が入る

福島県の猟期は11月15日から。今年の解禁日は土曜日で、翌16日が日曜日。「スタートダッシュ」を狙って意気込んでいたのに、そういうときに限って15日に本業の仕事が入ってしまったそうです。

半自給自足の暮らしでも、ベースになるのはフリーランスの本業。ありがたいことに今年は年末までびっしり仕事が入っていて、午前中で仕事が終わる日の午後に少し山を回る、という形が続いています。

くくりわなにタヌキ、そして指をけが

今年は、家の周りの有害鳥獣の駆除でもイノシシがかかり始めました。何年か前に活動を始めたころは全然とれなかった場所で、夏の時点で去年の数を超え、「とれた」という電話が来るほど。高齢の隊員さんが引退した場所を引き継ぐ形で、家の近くにもわなをかけさせてもらっています。

ところが、イノシシを狙ったくくりわなにかかったのはタヌキ。森に返してやろうとわなを外していたら、ワイヤーに指を挟んでけがをしてしまった、という一幕も。

出猟は5回、獲物も少ない

ここまでの成果は、カモとキジ、そしてタヌキ。出猟は5回ほどで、本業が少なかった去年の毎日のような出猟と比べると半分くらいです。

そもそも今年は獲物自体が少なかった、と狩猟おじさん。猟場の近くを流れる阿武隈川には、例年なら寒くなるとカモがたくさんやってくるのに、「来たな」と感じたのはここ1週間ほど。暖かい日が続いて、寒くなりきらなかったのが影響しているのかもしれません。

ハンターは、クマに会わない

鈴は鳴らせない

山に入るときはクマよけスプレーを持っていくものの、獲物を探しに行くのに「ここにいるぞ」と鈴を鳴らすわけにはいきません。においのついた服のまま、気づかれないように静かに入るのがハンターの山の歩き方です。

目撃情報は多いのに

今年はクマの目撃や人身被害のニュースが相次いでいます。須賀川でも小学校の校門前の柿の木に登っていたという報道があり、郡山の小学校の校庭に入ってきた話や、本宮市では高速道路を越えて街なかに出てきた話も。

それなのに、日の出とともに山に入り、林道を車で何時間も回っている狩猟おじさんは、今年まだ一度もクマを見ていません。仲間のハンターにも「見た」という人はいないそうです。

北海道でも、ヒグマには会わなかった

実は今年、狩猟おじさんは北海道でもハンターとしての登録をしました。11月には案内してくれるガイドさんとの顔合わせも兼ねて下見へ。エゾシカ猟を3日間見せてもらいましたが、駆除の数が話題になっていたヒグマには、一度も出会わなかったといいます。

クマはもともと人を避ける動物だから、会いたいと思って山に入ってもなかなか会えない。そんな発信をした狩猟系のYouTuberが、ちょっと炎上してしまったこともあったそうです。それでも、自分の肌感覚としても本当に会わない、と狩猟おじさん。

猟期のルールと、早めに撃ちたい理由

猟ができるのは、日の出から日の入りまで。狩猟おじさんは携帯で日の入りの時刻を調べて、今の時期なら16時ごろには切り上げます。それでも、車中でカップ麺を食べながら5〜6時間は山を回ることになります。

福島では、鳥の猟期は2月15日まで、イノシシやシカなどの「四つ足」は3月15日まで。四つ足は寒くなるほど雪の足跡で探しやすく、さばくときのリスクも少なく、脂がのって肉質もよくなるので、まずは期間の短いカモやキジから始めるのが狩猟おじさんのやり方です。

鳥は賢くて、何度も同じ場所で撃たれると音に敏感になる、いわゆる「スレた」状態になってしまいます。だからこそ、渡り鳥が来はじめた最初のタイミングで撃ちたい。今年はそのスタートダッシュがかなわなかった、というわけです。

印象に残った一言

獲物を探して山に入るのに、「ここにいますよ」って自分を知らせて入るわけにはいかないじゃない。

次回は、北海道での下見の話をもう少し詳しく聞く予定です。

前後の回

出演者

  • 狩猟おじさん:狩猟・作家・話師。福島で半自給自足の暮らしを送る。Instagram / note
  • 沢田隆志:移動販売の珈琲店「GALATA COFFEE」を夫婦で営む。生まれてからずっと食べ物はお店で買ってきた都市育ち

番組と出演者の詳しい紹介は、GALATAの番組ページへ。