腐ることから、はじまる。「ポセミン」の作家・松本悠以さんと狩猟おじさんの出会い|狩猟おじさんのおじラジ #6

狩猟おじさんのおじラジ #6 腐ることからはじまる ポッドキャスト

9月は、狩猟おじさんにゆかりの深い人をお呼びするゲスト月間。第1弾は、狩猟おじさんが今の活動を始めるきっかけのひとつになった、須賀川市を拠点に活動するアーティストの松本悠以さんです。

実は隆志さんが狩猟おじさんと知り合ったのも、松本さんを通じてでした。絵を描くアーティストと、動物を撃ったり畑をしたりする狩猟おじさん。ふたりはどうやって出会ったのか。前編では、その出会いと、キャラクター「ポセミン」が生まれた理由を聞きました。

Spotify、Amazon music、Apple podcast、Audible、stand.fm、YouTube にて配信中!

この回の話題

時間話題
00:529月はゲスト月間
01:48ゲストはアーティストの松本悠以さん
02:38アーティストと狩猟おじさん、なぜ知り合い?
03:28大玉村の古民家での「腐る喜び展」
05:14狩猟おじさんの活動の形が固まるまで
07:00ポセミンの物語
08:00共通する世界観
09:00腐ったあとに生まれたポセミン
12:40続けることで、キャラクターが成長していく
14:23鳥取から千葉、そして福島へ
15:15縄文の暮らしを現代に
18:10狩猟おじさんの絵本は、松本さんの言葉から
20:53活動の最初の一歩

出会いは、地図に載っていない古民家

松本さんは、須賀川市を拠点にアーティストとして活動しています。描いているのは、ピンク色の謎の生きもの「ポセミン」。平面の作品だけでなく、立体作品もつくり、県内外で活動しています。

福島に移住して5年目。最初に住んでいた大玉村の古民家で開いた個展に、狩猟おじさんがふらりと訪れたのが出会いでした。Googleマップにも載っていない古民家で、1か月休みなしの個展。子どもたちが「この絵かわいいね」と持ってきたのがきっかけで、奥さんと一緒に見に行ったそうです。個展のタイトルは「腐る喜び展」。どんな人がやっているのかも知らずに行ったら、まさかこんな若い人が、と驚いたそう。

その後、少しずつやり取りが増えていきました。当時の狩猟おじさんは、どんな活動をしていくか迷走していた時期。松本さんから受けた刺激も大きかったそうです。

腐ったあとに、ポセミンが生まれた

松本さんがメインにしたいのは、ポセミンを主人公にした物語。隆志さんも、その物語のファンです。自然を感じさせる作品の世界観は、狩猟おじさんの半自給自足の考え方にも通じるところがあり、松本さんも自分で畑をしたり、物々交換を取り入れたりしているそうです。

「腐る喜び」というタイトルには、精神的な意味もあるそう。高校生のころ、すごく腐っていた時期があった。草や野菜が腐って土に還り、その養分を吸収して別の種が芽を出すように、一度自分が腐ったことで、ポセミンという存在が芽を出した。ポセミンは、自分の生まれ変わりとして描いている面もあるのだとか。

続けることで、キャラクターが成長する

もともとは人に見せるつもりはなく、ポセミンたちがどんな生きものなのかを考えて、ひたすら描いて吐き出していた。それが精神安定剤のようなものだったそうです。ポセミンに出会う瞬間は、もしかしたら誰にでもあるのかもしれない。大事なのは、その子のことを忘れずに描き続けること。自分が人生経験を重ねていくと、急に性格が生まれ、お話が生まれる。一緒に成長していくのだそうです。

狩猟おじさんいわく、ポセミンの絵本は、見た目は子ども向けでも、中の文章を読むと意外に深い。小さい子にはわからないかもしれない、涙ものの物語です。

鳥取から千葉、そして福島へ

松本さんの出身は、47都道府県でいちばん人口が少ない鳥取県。大学では、環境から建築を考える学科で学び、卒業設計では縄文の人々の暮らしを現代にどう取り入れるかを考えました。ところが、経験したことのない想像だけでつくったことを先生に指摘され、「田舎に行こう、自分もこの生活を経験しよう」と移住先を探すことに。千葉県で半自給自足を教えてもらったりしながら、福島にたどり着きました。ちなみにその先生は、小学生のときに竪穴住居をつくったことがあるという、縄文のような先生だったそう。

狩猟おじさんの絵本は、松本さんの言葉から

狩猟おじさんがトークショーのベースにしている絵本も、実は松本さんが関わっています。どんな思いでどんな本をつくりたいかを伝えたところ、松本さんが文章を書いてくれた。「さすがプロ」と狩猟おじさん。絵は別の作家さんにお願いし、絵本が完成しました。登場する犬の「カーリー君」の名前も、個展での雑談の中で「狩りだからカーリーでいいんじゃない」と決まったそうです。

活動の、最初の一歩

福島県ではジビエを食材として売ることができない。どうやって発信しようかと模索する中で、写真展や松本さんとのコラボも考えた。そして絵本という形にたどり着き、さらにアクセサリーをつくるハンドメイド作家としてデビュー。それがきっかけでトークショーに呼ばれ、子ども向けに話したことが成功して、伝えていくこと、ものを書いていくことを続けていきたい、という思いが膨らんでいった。そこからは人の縁で、今の形にまで来たそうです。

その最初の一歩をつくってくれたのが、松本さんでした。その後の展開は、後編で。

印象に残った一言

一回自分が腐ったことによって、ポセミンっていう存在が芽を出した、みたいな感覚なんです。

前後の回

出演者

  • 狩猟おじさん:狩猟・作家・話師。福島で半自給自足の暮らしを送る。Instagram / note
  • 沢田隆志:移動販売の珈琲店「GALATA COFFEE」を夫婦で営む。生まれてからずっと食べ物はお店で買ってきた都市育ち
  • 松本悠以:須賀川市を拠点に活動するアーティスト。キャラクター「ポセミン」を描く(ゲスト)

番組と出演者の詳しい紹介は、GALATAの番組ページへ。