収録は10月11日。その少し前、狩猟おじさんは東京の小学4年生、約120人に向けて話をする機会がありました。那須の牧場で開かれるイベントで担当している「命の授業」の、リハーサルを兼ねたものです。
都会の子どもたちから飛んできたのは、大人がヒヤッとするような鋭い質問の数々。そして「野菜だけじゃダメなの?」という根源的な問い。狩猟おじさんが、なぜ野生動物の肉を獲って食べるのかを聞きました。
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この回の話題
| 時間 | 話題 |
|---|---|
| 00:53 | 東京の小学4年生120人に「命の授業」 |
| 01:44 | 野生動物、野菜、すべてに命がある |
| 02:37 | 福島の子どもと、東京の子どもの違い |
| 04:24 | 大人がヒヤッとするような鋭い質問 |
| 05:18 | 「なぜ肉を獲ってくるの?」 |
| 07:02 | スーパーのパックでは、命を実感しにくい |
| 07:58 | 人は、何かを食べないと生きていけない |
| 08:54 | 選べるから、論じられる |
| 10:44 | 肉の原点を知りたかった |
| 11:39 | 初めてさばいたときの感覚 |
| 12:41 | 野菜に命はないのか |
| 14:25 | オファーがあれば、全国どこへでも |
| 15:17 | 小さいうちに知ってほしい |
東京の小学生に「命の授業」
狩猟おじさんは、那須の牧場で開かれるイベントで「命の授業」を担当しています。前回は「猟師という仕事が世の中にあるんだよ」という内容でしたが、今回は野生動物も野菜も、みんな命がある、ということを考える会。東京から研修で那須に来ていた小学4年生に向けて、そのリハーサルとして実際にスライドを使って話をさせてもらったそうです。
福島の子どもと、東京の子どもの違い
普段トークライブをしている福島の子どもたちは、「どう思う?」と聞いても、もぞもぞしていることが多い。ところが東京の子どもたちは、全員がiPadを持っていて、ものすごい食いつき。子ども向けのトークでは「その言葉じゃわからない」とダメ出しを受けることもある狩猟おじさんですが、今回は逆に、大人がヒヤッとするような質問ばかり。刺激的な写真を見て「これは何とか条約に引っかからないんですか」「どういうルートで輸出しているんですか」。写真を撮る前には「撮らせてもらっていいですか」と聞いてくる。カルチャーショックだったそうです。
「野菜だけじゃダメなの?」
1年近く活動してきた中で、小学生から言われたことの中でも、いちばん刺さったのが「野菜だけじゃダメなの?」という言葉。調べてみると、人の体は野菜だけでも生きていけるという科学的な根拠もある。SNSでは「なんで野生動物を撃ち殺すんだ」という批判を受けることもあります。家畜がいる中で、なぜわざわざ野生動物なのか。
スーパーのパックでは、命を実感しにくい
スーパーに行けば何でも手に入る。パックされた肉は血も流れておらず、きれいに食べられる状態になっている。隆志さんも、豚肉がもともと豚だったという意識すらないと言います。
選べるから、論じられる
人は何かを栄養にしないと生きていけない。狩猟おじさんは、野菜だけでも、何を食べてもいいと思っていて、それを批判するつもりはない。ただ、肉がダメ、これは食べられない、と論じられるのは、野菜も魚も肉も、お金さえ払えば手に入るから。選択肢があるからこそ言えることだと思っているそうです。
極論だと言われるかもしれないけれど、もし戦争が起きたら。土地が荒れて野菜が育たなくなったら。鳥インフルエンザで卵が高くなったように、疫病で家畜が食べられなくなったら。人は、何かの命を必ず体に入れないと生きていけない。それが野菜であっても、肉であっても。
肉の原点を知りたかった
震災をきっかけに、何か起きても自分である程度食べられるように、それを伝えていけるようにと始めた半自給自足。どうせ何かの命を奪って食べるなら、畑で野菜を育てるのと同じように、人が食べやすいように改良された家畜ではなく、スーパーの血の流れていない肉になる前の、本当の原点を知りたい。それを体験したら、どんな気持ちになるのか。それが狩猟を始めたきっかけだったそうです。
初めてさばいたときの感覚
初めて自分で撃って、さばいたときの感覚は「何とも言えない」。匂いも、冬場の湯気も、まだ残るぬくもりも。そこで考え方が急に変わった、と狩猟おじさん。食べ物を選べるとか選べないとか、そういうことではない、もっと知ってもらいたいことの原点がある。ベジタリアンの人にも、知ってもらいたい。人は何で生きていけるのか、ということを。
野菜に命はないのか
トークライブでは、畑で育っている野菜と、収穫したあとの野菜の写真を見せるそうです。収穫した野菜を置いておくとどうなるか、と聞くと、全員が「腐る」と答える。腐るということは、死ぬということ。収穫するまでは、みずみずしく生きていた。肉や魚と違うのは、血が出ないこと、鳴き声がしないことくらい。食べることは、生きること。その先にある原点を知ってほしい、と狩猟おじさんは言います。
小さいうちに、知ってほしい
須賀川の食堂に呼ばれておにぎりを通して命の話をしたり、那須でのイベントに出たり。猟師は年齢層が高く、自分で発信しようという人は少ないので、リアルなハンターに会って話を聞いてみたいという場があれば、オファーがあれば全国どこへでも行くつもりだそうです。
話していて感じるのは、小さい子のほうが、すんなり受け止めてくれるということ。中学生、高校生、大人になると、考え方が固まってしまう。ものの成り立ち、命の始まり、食べることがどういうことか。それを小さいうちから知ってもらうことが大事だと考えています。今回は小学4年生だけに向けた初めての機会で、先生たちも熊の皮や骨に「触っていいですか」と興味津々だったとか。番組へのコメントも、Podcastやstand.fmで受け付けています。
印象に残った一言
肉がダメだ、何がダメだって論じられるのは、やっぱり色々食べられるからだと思ってるのね。
前後の回
出演者
- 狩猟おじさん:狩猟・作家・話師。福島で半自給自足の暮らしを送る。Instagram / note
- 沢田隆志:移動販売の珈琲店「GALATA COFFEE」を夫婦で営む。生まれてからずっと食べ物はお店で買ってきた都市育ち
番組と出演者の詳しい紹介は、GALATAの番組ページへ。
