第11回は、前回の狩猟免許の話の続き。狩猟免許とは別に必要な「銃砲所持許可」について聞きました。狩猟おじさんいわく、試験も含めて、狩猟免許よりずっと難しいそうです。
合格率1割ほどの学科試験、過去10年にわたる身辺調査、そしてご近所への聞き取り。日本で銃を持つことのハードルの高さと、猟を続けるためにかかるお金の話です。
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この回の話題
| 時間 | 話題 |
|---|---|
| 00:11 | クレー射撃にも、所持許可が必要 |
| 01:02 | 福島県には射撃場が多い |
| 01:52 | 週1回はクレーを撃って腕を磨く |
| 02:42 | 銃の所持許可は、狩猟免許より難しい |
| 03:37 | 狩猟者登録は都道府県ごと |
| 04:29 | 毎年かかる狩猟税 |
| 06:12 | 猟友会に入らずに猟をする人も |
| 08:00 | 免許も許可も、3年ごとに更新 |
| 08:56 | 所持許可の講習と、法律の試験 |
| 10:51 | 25発中3発当てる実技試験 |
| 11:50 | 過去10年の身辺調査 |
| 12:49 | ご近所や家族への聞き取り |
| 14:38 | 1丁ごとに許可がいる |
| 16:22 | わな猟だけだと、止め刺しが危険 |
| 18:08 | 銃は見せてもいいが、触らせてはいけない |
クレー射撃と、福島の射撃場
銃の所持許可は、狩猟でもクレー射撃でも同じ。先に所持許可を取っておけば、狩猟免許の試験より前に銃に触れられます。狩猟おじさんも、もともとクレー射撃をしていて、今も射撃場に通っています。
福島県は射撃場が多いほうだそうで、県内に12〜13か所ほど。二本松市にも福島市にも、そして須賀川市の宇津峰にもあります。隆志さんも「射撃場」という看板は見たことがあったそう。狩猟は猟期にしかできませんが、クレー射撃は季節を問わずできる。猟期以外も週1回くらいのペースで撃ち、ちょっとした大会にも出ているそうです。動いているものを撃つには、体で覚えていかないといけないからです。
銃の所持許可は、狩猟免許より難しい
所持許可は、銃1丁に対して1つの許可。試験があり、狩猟免許より難しいそうです。
狩猟者登録と、毎年の狩猟税
狩猟免許を取っても、すぐに猟ができるわけではありません。都道府県ごとに狩猟者登録をして、免許の種類ごとに狩猟税を納める。わなをかけて、銃で止めを刺したいなら、両方の税金が必要です。1つ1万円前後で、両方だと2万円ほど。それに保険料もかかります。隣の県でも猟をしたければ、その県でも登録と納税が必要になり、さらに倍。猟友会に入っていればまとめて手続きしてくれますが、入らずに個人で役所とやり取りする人もいるそうです。
弾代なども含めて、猟をするにはかなりお金がかかる。「狩猟者を増やせ」と言われるけれど、ハンターはちゃんと高額納税をしているのです。免許も所持許可も、3年ごとに講習を受け、体の状態の確認などを経て更新します。
合格率1割の学科試験
所持許可の申し込み先は、警察の生活安全課。初心者講習会に申し込むと、そこで初めてテキストが渡されます。講習会を受ければ受かる試験ではなく、事前にテキストをしっかり読んで勉強しておくことが前提です。
出題されるのは、ほとんどが銃の所持に関する法律。銃の長さの規定のような数字まで、細かく覚えなければいけません。合格ラインは95点前後。狩猟おじさんが受けたときは30人ほどの受講者で、合格は狩猟おじさんを含めて3人だったそうです。
25発中、3発当てる実技
学科に合格すると、実技試験。仮免許のような許可証が発行され、銃砲店の専用の銃を借りて、25発撃って3発当てるという試験を受けます。
過去10年の身辺調査と、ご近所の同意
実技の前には、半年ほどかかる身辺調査があります。学科の合格通知を渡されるとき、警察官から「何かやましいことがあるなら、この時点で申請をやめてくれ」とはっきり言われたそう。過去10年にさかのぼって調べられ、交通違反以外の軽犯罪がひとつでもあればアウトです。
さらに、近所の人や会社の上司の同意も必要です。地元の警察官が一軒一軒訪ねて、「この人が銃を持とうとしているけれど、どうですか」と聞き取りをする。「酔って奇声を発する」「あの人が持つのは怖い」と言われたら、許可はおりない。家族へのヒアリングもあります。アパートやマンションに住んでいると、管理会社や隣人の同意も必要になり、条件つきで銃砲店に預けることになる場合も。都会で会社勤めをしている人には、かなり高いハードルです。
1丁ごとに、許可がいる
身辺調査をクリアし、実技に合格したら、実際に持つ銃を警察署に持っていき、規格に合っているか検査を受けて、ようやく所持許可が出ます。許可は1丁ごと。2丁目を買うときも、同じ審査を受け直します。医師の診断書で精神的に問題がないことも示し、3年ごとの更新のたびに同意者も必要です。狩猟おじさんの場合、家族以外の同意者が今は7人いるそうです。
わな猟だけだと、止め刺しが危険
それなら、わな猟免許だけでいいのでは?ところが、箱わなにイノシシが入ったとき、どうやって止めを刺すのか。わな猟免許だけの人は、電気が流れる槍で刺すか、くくりわなにかかった獲物に自分で近づいて、ナイフで止めを刺すしかない。雨が降れば電気槍は自分にも危ないし、くくりわなの獲物は向かってくる。年を取ったらどうするのか、という問題もあります。銃なら、離れたところから止めを刺せる。だから両方必要なのです。
銃は見せていいが、触らせてはいけない
日本では、銃は人に見せることはできても、触らせてはいけない。射撃場で後ろから見学するのはOKでも、「ちょっと持たせてもらった」と言おうものなら、その時点で銃刀法違反です。実弾だけを人に渡すのもダメ。アクセサリーに使われる薬莢は、雷管を抜いて穴をあけるなど、二度と使えない状態にしてあるもの。狩猟おじさんのキーホルダーは、弾が出る側にもふたをして接着しているそうです。
印象に残った一言
日本では、鉄砲は見せることしかできないの。触らすはダメ。
前後の回
出演者
- 狩猟おじさん:狩猟・作家・話師。福島で半自給自足の暮らしを送る。Instagram / note
- 沢田隆志:移動販売の珈琲店「GALATA COFFEE」を夫婦で営む。生まれてからずっと食べ物はお店で買ってきた都市育ち
番組と出演者の詳しい紹介は、GALATAの番組ページへ。
